1950年(昭和25年)9月3日 
ジェーン台風

台風が本県を通過したため、中心の通過した近傍地は特に被害甚大で、神戸以東の武川地区を含む地帯は風害を極度に受け、惨禍の影響は尚現存する程である。
中部内陸では豪雨による被害が大きく、但馬地方では豪雨のため水害がかなりあった。

本被害は8月28日硫黄島付近に発生し、9月3日10時室戸岬東方20粁の洋上より、12時淡路島南方、13時神戸港付近、14時兵庫・大阪・京都の3府県境交錯点たる福住町東方、15時若狭へと進行した優勢なる勢力を持っていたジェーン台風に起因するものである。

阪神蓬川鉄橋西の民家も浸水

阪神蓬川鉄橋西の民家も浸水 (尼崎市蓬川町付近)

阪神西大阪線左門殿川鉄橋も高潮のため冠水

阪神西大阪線左門殿川鉄橋も高潮のため冠水(尼崎市杭瀬南新町付近)

3日に高知県室戸岬のすぐ東を通り、淡路島を通過し、12時過ぎに神戸市垂水区付近を通り若狭湾へ抜けた。
中心の通過した神戸以東の武川地区を含む地帯は風害を極度に受けた。
強風による吹き寄せにより大阪湾で高潮が発生し、満潮時より2.1m以上高くなり、多くの家屋が浸水し、多大な被害を受けた。

高潮記録
発生年:昭和25年(1950)
台風名:ジェーン
潮位偏差(cm):神戸147、洲本119、姫路95
被害:死傷者数(人)945、床上浸水(人)27,772